平成22年度森林・林業白書が閣議決定された。22年度白書は森林・林業の再生に向けた新たな取り組みの紹介をはじめ、東日本大震災に伴い森林・林業・木材産業が大きな被害を受けたこと、公共建築物などにおいての木材利用の促進に関する法律が成立したこと、生物多様性に関する新たな世界目標やルールが採択されたことなどをトピックスとしてとりあげている。
特に、生物多様性に関する新たな世界目標では(1)2020年までに森林を含む自然生息地の損失速度を少なくとも半減する(2)生物多様性の保全を確保するよう農林水産業が行われる地域を持続的に管理する(3)劣化した生態系の15%の回復などにより気候変動の緩和・適応と砂漠化対処に貢献するなどを紹介。
また、木材需要を促進する一環として、国が整備する低層公共物は原則、全て木造化を図るなどの目標を定めた「公共建築物における木材利用の促進に関する法律」が昨年10月施行され、取り組みが始まっていることなどが紹介されている。
白書は「我が国は古来より木材を適材適所で多用する木の文化の国。木材需要の拡大の取り組みにより新たな木の文化の創出を期待したい」としている。
(編集担当:福角忠夫