「友チョコ」や「自分へのご褒美チョコ」など、女性を中心に盛り上がるバレンタインデーと比べれば、やや沈滞ムードのホワイトデー。その起源は1978年に「全国飴菓子業協同組合」が“ホワイトデー(3月14日)はキャンデーの日”と決定したのが始まりという説と、1977年、マシュマロ菓子を売り出そうとした石村萬盛堂が始めたという説がある。
インズウェブリサーチによると、ホワイトデーを面倒だと思う男性は65%に達する。多くはホワイトデーをおっくうに感じているようだ。化粧品メーカー、ドクターシーラボの調査では、実に87%もの男性が「ホワイトデーに何をプレゼントしたら女性に喜んでもらえるか分からない」と回答。そもそも面倒だし何を贈ればよいか分からない、というのが本音のようだ。
ホワイトデーの贈り物としてはクッキーやマシュマロが定番だが、先のドクターシーラボの調査では、女性が「ホワイトデーにもらって嬉しくないものや困ったもの」(複数回答)として3位に「マシュマロやキャンディ、クッキー」がランクイン。店頭には様々な種類のプレゼントが並んでおり、どうすればよいか分からなくなってしまう男性も多いだろう。
もともと日本にはお中元やお歳暮など、男性名義で行う贈答の習慣がある。だがそれらの贈り物も、商品選びなどは妻が取り仕切っている場合が多い。贈られる商品も、ビールなど酒類の他には洗剤や油、レトルト食品など、女性が多く使うものが多いことからもそれは明らかだ。
改まった贈答品も妻に任せたいと考える日本人男性が、個人的な贈り物をするのはさらに苦手だろう。義理チョコのお返しを全て妻に任せる夫も多い。また、男性がもらって嬉しい贈り物のアンケートでは、「気持ち」や「何もいらない」「手作りのもの」といった回答が上位に来ることが多い。男性は物を贈り合うのが苦手なのだ。
そこに加えてホワイトデーには最初から、メーカーの思惑でキャンディ派とマシュマロ派が混在している。「チョコレートを贈る」というバレンタインの分かりやすさに対し、基準が曖昧で多くの男性が面倒だと感じているホワイトデー商戦。メーカーや小売にとっては、いかに女性を取り込むかが鍵になりそうだ。