中国電力<9504>は、同社の社宅を避難所として無償提供すると発表した。提供する社宅は、中国地方5県にある世帯用社宅を約140戸、単身用ワンルーム寮を約150戸。原則として、家族帯同の場合は世帯用、独身または単身の場合はワンルーム寮を提供する予定だ。社宅使用料や敷金、礼金については全て無償とするが、共益費や水道光熱費については各自負担する必要がある。対象は東日本大震災の被災者と、福島原発から30km圏内に居住する人で、入居日より1年間を提供期間としている。生活に必要な家電・家具日用品は個人で準備する必要があるものの、エアコンや照明器具、クッキングヒーター等、既に設置されているものも少なくない。
また、福井県およびふくい産業支援センターでは、震災により業務遂行に支障が生じている情報通信関連事業者に対し、福井県坂井市にある福井県産業情報センタービルの技術開発室の空き室を、利用料を減免して提供する。対象は、ソフトウェア開発およびウェブサイト制作などの情報通信関連事業を行っており、震災の影響で事業継続が困難となった企業。貸し出しオフィスは、27.13平方メートルから109.74平方メートルまで3タイプ・5室を予定しており、被災企業については全額無料、計画停電など震災による二次災害により業務遂行困難となった企業は半額で提供する。どちらも平成23年9月末を支援期間としている。
震災と津波により破壊した建物は数え切れないほどに及ぶ。これにより、命は取り留めたものの生活に大きな支障をきたしている人も多い。空き部屋を有効利用し、長期的に被災者の支援を行うことで、被災地の復興支援となることが期待される。