東京都港区にあるユーラスエナジーホールディングスは、被災した東北、関東地方にある風力発電所11拠点のうち、8拠点の運転を15日時点で再開した。11拠点合計の設備容量は27万3820キロワットで、このうち約64%にあたる17万4900キロワット分が稼働している。
同社は風力発電国内最大手。風力発電所を青森県に6拠点、秋田県に2拠点、岩手県、福島県、茨城県に各1拠点構えている。被災直後にこの11拠点すべてが停止した。このうち、野辺地ウインドファーム(青森県野辺地町)とユーラスヒッツ北野沢クリフ風力発電所(青森県東通村)、岩手、福島、茨城を除く発電所が13日に運転再開。野辺地と北野沢も14日に運転を再開した。残りの発電所についても茨城県常陸太田市の発電所で、再開の準備を進めている。
また、茨城県神栖市にある鹿島地区コンビナートで電力事業を行う鹿島南共同発電が14日から電力の供給を始めた。天然ガスを使うガスエンジン発電機2基で発電を行っており、発電能力は合計で1万1500キロワット。同社に出資する旭硝子やJSR、クラレ、三菱ガス化学、ADEKA、三井化学、カネカなど16社に対する電力供給を始めている。同社では東京電力が実施した計画停電を受けて、「東京電力の負担を少しでも軽減するために発電を再開した」としている。
一方、同地区コンビナートにある鹿島北共同発電でも電力供給再開に向けて、4基あるボイラのうち1基の立ち上げ準備に取りかかった。現在、電気を生産するための蒸気を発生させている。ただ関連設備の立ち上げも必要となるため、電力供給の再開時期は未定。
電力供給が滞るなか、これら発電拠点の再開は光明の光となるはずだ。