クボタ、タイで総額54億円を投じディーゼルエンジン工場を建設

2011年03月07日 11:00

 タイはアジアにおける主要農業国として、農作物の増産がすすむとともに近年農業機械の需要が増大している。なかでもトラクター市場は、日本勢が強くクボタがシェア7割程度を抑え、次いで、ヤンマーや井関農機、三菱農機などが競合している。

 クボタはタイで総額54億円を投じて農機や建機向けのディーゼルエンジン工場を建設し、2012年10月から量産を始めると発表している。すでに現地でエンジン鋳物は生産を始めており、加工・組み立ての拠点を設立することで、エンジンの一貫生産体制が整う。現地生産でコストを削減することで、アジア諸国での農機の事業拡大につなげる。新工場は、トラクタ・コンバインといった自社製品搭載用のほか、日米欧及び新興国の建機、産業用機械メーカーへも外販するグローバル供給拠点と位置づけているという。

 一方、2004年から現地でトラクターの販売を開始し、現地アフターサービス体制の拡充とあわせて事業を展開してきたヤンマーは、現地においてさらなる事業拡大を目指すべく、昨年来トラクターの現地生産準備を推進。同社のタイ国現地法人である、Yanmar S.P.社の敷地内にトラクター生産工場を昨年末に新たに完成している。

 同社は今後、現在、食料の増産がすすむ、タイ近隣諸国へのトラクタービジネスの展開も視野に入れつつ、将来的にはトラクターだけではなく、農業機械のトータル・ソリューションビジネスを幅広く展開していく計画だ。