19日のNYダウは3ドル高と小反発。20日のNYダウは、この日まで開かれたFOMCでFRBの量的緩和政策もゼロ金利政策も続行と決まり、バーナンキ議長の記者会見では出口戦略のデの字も出なかったため、一時は取引時間中の史上最高値を更新し55ドル高で14500ドル台を回復した。21日朝方の為替レートは、ドル円が96円近辺、ユーロ円が124円台前半と、ともに19日と比べ1円を超える円安進行。20日に就任した黒田総裁率いる日銀新体制への期待とご祝儀ムードがあいまって、祝日明けの日経平均は123.77円高の12592.00円と大幅高でスタートした。キプロスの国会が預金課税法案を否決しても、EUが支援の代替案を出しても、もう過去の話なのか、すぐに12600円台に乗せ、12650円にもタッチした。その後は2月の貿易収支の赤字幅7775億円が市場予測より小さく為替が少し円高に戻ったり、午後6時の黒田新総裁の記者会見前の様子見もあって12600円台前半で値動き小さく安定的に推移。終値は167.46円高の12635.69円で4年半ぶりの12600円台をマークした。TOPIXは+12.21の1058.10。売買高は34億株ながら売買代金は2兆円台を回復している。
値上がり銘柄が全体の4分の3を超える全面高で、マイナスは不動産、鉄鋼、海運の3業種のみ。上位は繊維、証券、電力・ガス、その他金融、情報・通信などだった。
21日のNYダウは90ドル安。ECB(欧州中央銀行)がキプロスの銀行への緊急流動性供給について「25日まで」と期限を通告し、緊張が高まったのが下落要因。この島国は租税回避地としてあらゆる国よりカネこそ通えど、いまだに銀行が営業を再開できないでいる。22日朝方の為替レートは、ドル円は95円近辺、ユーロ円はキプロス問題緊迫化に加え3月のユーロ圏の購買担当者景気指数(PMI)総合指数の速報値が低下したこともあって122円台前半。円安が大幅に進み、前日発表の公示地価は1月1日時点ではまだ全国的な反転まではいかず、前夜の黒田新日銀総裁の記者会見では特にサプライズもなくて、日経平均は137.18円安の12498.51円で始まった。
12500円台にもタッチしながら、定着できず12400円台で徐々に下げていく軟調な展開。債券市場では、日銀新体制の量的緩和による買入増期待にキプロス問題によるリスク・オフが重なって朝から日本国債が活発に買われ、長期金利が9年9ヵ月ぶりの低水準まで低下したことも無関係ではない。弱い相場は後場も続き、午後2時台には当てにしていたロシアが助けてくれずキプロスの財務大臣が失意の帰国とか、救済する銀行を選別して支援を仰ぐといったニュースが伝えられて円高がさらに進行したため、急落して12400円を割り込み以前の「利益確定売りの金曜日」が復活。結局、日経平均は297.16円安の12338.53円の安値引けと、18日の340円安に近い下落幅になった。投資家の心理は「週末にキプロスがらみで何かあるかもしれない」という懸念で積極的に買いに行けなかったようだ。TOPIXは-19.53の1038.57。売買代金は2兆円を超えても売買高は28億株と控えめで、日本人にはなじみが薄い地中海の島国に最後まで振り回され、久々の前週末比マイナスを記録して今週の取引を終えた。
東証1部全体の81.8%の銘柄が下落しては東証33業種別騰落率が全業種マイナスでも仕方ない。マイナスが軽かったのは空運、電気・ガス、情報・通信、卸売、水産・農林業など内需系中心。マイナスが重かったのはゴム製品、鉄鋼、倉庫、その他金融、精密機器、電気機器、輸送用機器などだった。