今週の振り返り 日経平均は3勝2敗でも1週間で277円上昇

2013年03月16日 17:48

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PM2.5、シェールガス、メタンハイドレートにTPPと買われる材料のタネは尽きない

 PM2.5、シェールガス、メタンハイドレートにTPPと買われる材料のタネは尽きない

 前週末の8日に発表されたアメリカの雇用統計は、非農業部門雇用者数は23.6万人増、失業率は前月を0.2ポイント下回る7.7%で市場予測を超える改善ぶり。ポジティブサプライズでNYダウは67ドル高で史上最高値を4日連続更新し、ドル高が進行してドル円は96円台に乗せた。イタリア国債の格下げの影響も限定的で、11日朝方の為替レートはドル円は96円台前半、ユーロ円は125円近辺まで円安が進行。日経平均は79.47円高の12363.09円と、12300円台に乗せて始まった。午前8時50分発表の1月の機械受注が前月比13.1%減と悪くても問題にせず、前場で12400円台にもタッチ。しかし後場は上海市場の下落程度しか悪材料がないのにズルズルと12300円まで値を下げた。それでも大引けにかけて半値戻しで終値は65.43円高の12349.05円で8日続伸。上げ幅はTOPIXのほうが大きく+19.48で1039.98だった。売買代金は2兆8464億円だが売買高は45億株でメジャーSQの8日の48億株に迫り、商いは活発だった。

 東証33業種別騰落率の上位は銀行、証券、保険、陸運、倉庫など。値上がり銘柄が東証1部全体の約75%を占めたためマイナス業種は食料品とゴムの2業種だけで、石油・石炭、医薬品、情報・通信、精密機器などの騰落率が低かった。

 12日朝方の為替レートはドル円が96円台半ば、ユーロ円が125円台後半で前日よりも円安が進行。NYダウは50ドル高で史上最高値を5日連続で更新した。日経平均は84.55円高の12433.60円と12400円台に乗せて始まった。しかし前場は次第に上げ幅を圧縮。後場は一段安となり、前日比マイナスとプラスの間で3往復した後、4回目のマイナスから回復できずに安値引け。終値は34.24円安の12314.81円で連騰は8でストップしたが、12300円台は維持した。TOPIXは-4.08の1035.90だった。売買高は42億株、売買代金は2兆8189億円と商いは高水準。後場に少し円高に戻して高値警戒感による利益確定売りに押されたが、前日から米韓合同軍事演習に北朝鮮が猛反発したことによる「地政学的リスク」の影響もささやかれている。

 値下がり銘柄数が1000を超え、上昇は鉄鋼、鉱業、卸売業、情報・通信業、電気機器、医薬品の6業種のみ。下落幅が大きい業種は証券、倉庫、石油、パルプ・紙、電気・ガス、銀行などだった。

 13日朝方の為替レートはドル円が96円台近辺、ユーロ円が125円台近辺で前日よりも若干円高。NYダウは2ドル高で8日続伸。日経平均始値は62.52円安の12252.29円だったが、前日の後場と同様にプラス圏にも浮上する大きな上下動を繰り返し、うねりながら下落。円高の進行を受けた利益確定売りやアジア株の軟調で下げたかと思えば5日移動平均線近辺では押し目買い意欲も強くて反発し、安値圏では底堅い値動きだった。結局、終値は75.15円安の12239.66円で続落し、TOPIXは-4.48の1031.42。売買高は30億株にあと一歩届かなかったが、売買代金は2兆円を超えていた。

 上昇業種は食料品、空運、倉庫、その他製品、鉄鋼など。下落業種はゴム製品、電力・ガス、小売、陸運、水産・農林などだった。

 14日朝方の為替レートはドル円が96円近辺、ユーロ円が124円半ばで、前日夕方と比べてドルは少し円安に。NYダウは2月の小売売上高が予想を上回る上昇率だったのを材料に5ドル高で9連騰。日経平均は92.50円高の12332.16円で始まった。しかし前場は為替がやや円高に傾いてじりじり下げ続け、TOPIXがマイナスの「NTねじれ現象」も発生した。後場はドル円が再び円安方向に戻ったので持ち直して12300円台を回復。大引けにかけて上げ足を速めて12400円寸前まで上昇し、終値は141.53円高の12381.19円と3日ぶりに反発し昨年来高値を更新した。TOPIXは+6.75の1038.17。売買代金は2兆円を超えたが、売買高は2日続けて30億株を割り込んだ。
 
 不動産、倉庫、証券、サービス、ゴム、金属製品などの業種が大きく上昇し、鉄鋼、鉱業、石油、その他製品、食品、保険などの業種が大きく下落した。

 15日朝方の為替レートはドル円は96円近辺、ユーロ円は125円近辺で前日とほぼ同水準。NYダウは83ドル高で破竹の10連騰。政府の月例経済報告が景気の基調判断を3ヵ月連続で引き上げたニュースも入り、日経平均は56.49円高の12437.68円で始まり、すぐに12日につけた取引時間中の昨年来高値12461円を更新。前場で12500円台にもタッチした。為替がやや円安に進み、上海市場が大きく反発したこともあって後場は一段高となり、12550円に何度もタッチした末、179.76円高の12560.95円の高値引け。星取は3勝2敗でも5日間で277.33円上昇したこの週の取引を終えた。12500円台は2008年9月9日以来。TOPIXは+13.48の1051.65だった。売買高は38億株で、売買代金が2兆円を超えた日はこれで8日連続している。

 業種別騰落率上位は海運、ゴム、陸運、鉱業、繊維の順。マイナスだったのは銀行だけで、騰落率下位は非鉄金属、証券、鉄鋼、情報・通信の順だった。