観光庁は今月から休暇取得分散化に関して地方での意見交換会を始めた。休暇の分散化により観光振興と地域の活性化を図ろうと検討しているもので、幅広い観点から意見を聞く機会にしたい意向。
中部地域で今月1日に開催したのを皮切りに8日に四国、9日中国、16日に沖縄、18日に北陸信越、23日に東北、28日に九州、3月7日に近畿、北海道(日程調整中)などでの開催を予定している。
意見交換会には地元経済界関係者や教育、労働、観光、交通、学識経験者、マスコミ関係者ら幅広いジャンルからの参加を得て行うことになっている。
ただ、経済産業省と観光庁が行った産業界を対象としたアンケート調査(昨年5月から6月、683社の中小企業を含む1238社からの回答)では、分散化が行われても売上は変化しないとする回答が大企業で78.5%、中小企業で67.1%となったほか、逆に費用が増えるとする企業が大企業で42.4%、中小企業でも3割を占めた。理由は「休日出勤による人件費の増加」(27.9%)や物流費用、システム変更に伴う費用などだった。
また全銀協、生保協など金融関係機関とのヒアリングでも(1)金融機関の営業日を分散化させることはできないため、全地域で通常営業せざるを得ない(2)送金時の銀行営業日と受ける側の営業日が異なると円滑な送金ができなくなり、決済に影響する(3)急な資金繰りが必要な時に地域の金融機関が営業していなければ融資できず、地域経済に悪影響を及ぼす可能性がある(4)地域によって金融機関の営業日が異なると取引上の公平性に欠く(5)金融機関の場合、どこかが営業していると全てのシステムを稼働せざるを得ない。逆に、現在、GW時に一斉にシステムを止めてメンテナンスしているが、分散化で止めることができなくなるとメンテナンスに支障が出てくる、など休暇の分散化には課題の多いことも浮かび上がっている。
(編集担当:福角忠夫)