三菱重工業 <7011> は、韓国の斗山エンジンに対し、ディーゼル機関用過給機「MET過給機」の製造・販売ライセンスを供与することで合意し、同社とライセンス契約を締結した。
斗山エンジンは、韓国を代表する企業集団である斗山グループの中核企業。舶用ディーゼル機関や陸用発電用ディーゼル機関を手掛け、現在、ディーゼル機関の製造量で世界第2位を誇る。売上高は約1兆7,726億ウォン(2009年度)だという。
今回、同社が斗山エンジンとの協業体制を構築することで、世界最大のディーゼル機関生産国である同国でMET過給機の一層の浸透をはかるのが狙い。ライセンス契約のテリトリーは韓国内(非独占)。これにより斗山エンジンは、同国内の他社向けにMET過給機の製造・販売を行うほか、同社製造エンジンの標準仕様の一つとして自社内にも供給することとなる。
韓国企業へのライセンス供与は、2002年から供与している世界最大のディーゼル機関メーカー現代重工業に続くもので、これにより、MET過給機は世界第1位と第2位のディーゼル機関メーカーにより自社および他社への供給が行われることとなる。MET過給機の年間生産量は現在約1,700台で、ディーゼル機関用過給機世界第2位のシェアを誇っているが、今回の協業により、その世界シェアの一層の拡大が期待される。
同社は今後も積極的な事業を展開し、MET過給機により世界シェア第1位を目指す。なお、同社製MET過給機初号機は2011年完成を予定している。
(編集担当:宮園奈美)