ダイキン工、ストリーマ放電技術による結核菌の分解・除去を実証

2010年09月09日 11:00

 ダイキン工業<6367>は、強力な酸化分解力をもつストリーマ放電技術により、結核菌を24時間で99.99%以上分解・除去することを第三者研究機関に試験を委託し実証したと発表した。さらに、ストリーマ照射後、結核菌のDNAを120時間で99.9%以上酸化分解したことを臨床微生物学の研究者である東京慈恵会医科大学臨床医学研究所の保科定頼副所長との共同研究で実証したという。

 結核は、エイズやマラリアと並び、世界の3大感染症のひとつとされている。

 中でも、患者数が多いのは、インド・中国・インドネシアといずれもアジア諸国となっている。 公益財団法人結核予防会が発行する「結核の常識2010」によれば、世界の約3分の1の人が結核に感染し、そのうち毎年940万人が新たに発病、180万もの人が命を落としているとされている。結核は空気感染により広まるため、旅行者による菌の持ち込みや、生活空間の気密化により病院や学校など人が多く集まる場所での集団感染が増えてようだ。日本も、米国(4.3%)や英国(13.9%)などの先進諸外国と比べて結核罹患率が19%と極めて高くなっている。

 こうした背景から同社は、結核菌に着目。今回、強力な感染力を持ち、壊れにくい細胞構造を持つ結核菌をDNAレベルまで酸化分解できることを実証したことで、ストリーマ放電の技術の高さが立証された。これにより、今後の医療用途および院内感染対策用途への応用が期待される。
(編集担当:北尾準)