ホワイトカラーをめざす中高年者や中年技術者などの再就職を支援してきた厚生労働省のキャリア交流プラザ事業が埼玉と千葉の2ヵ所のみになっている。
21年度は15ヵ所で活動していたが、コストや効率化を勘案した市場化テスト(民間競争入札で業務委託)の対象として、22年度に9ヶ所で公募した結果、埼玉、千葉以外は競争入札が不調に終わった。
このため、宮城、新潟、長野、愛知、広島、福岡、熊本の7ヵ所での事業を廃止する、と厚生労働省が8日、発表した。キャリア交流プラザ事業として特化して取り組んできた事業の部分の職業相談や求人紹介はハローワークがフォローしていくことになる。
キャリア交流プラザは「求職者数の多い労働局に設置し、ホワイトカラーの職種への再就職を希望する中高年齢者、30歳以上45歳未満の技術者、中高年で概ね1年以上の長期失業者に対して、登録制により、就職促進セミナー、キャリアコンサルティング、職業相談、職業紹介等を行っている」(同省)。再就職を希望する中高年には、雇用を政策の第一に掲げる菅内閣がなぜ、入札不調になったからと廃止するのか、中高年の就職支援にも力を入れてほしい、との思いが強い。
(編集:福角忠夫)