向精神薬処方 生保者での不適切受診7割にも

2010年09月06日 11:00

 生活保護の医療扶助を受けている生活保護受給者で同じ月内に複数の医療機関から向精神薬を処方されていた人を対象に厚生労働省が緊急サンプル調査を行った2次調査の結果、2555人のうち、不適切な受診者が70.3%にあたる1797人にものぼっていたことが分かった。同省が3日、発表した。適正受診へ対策を強化することにしている。

 同省のまとめによると、1797人のうち、721人は福祉事務所で患者本人に対し複数の医療機関から重複して向精神薬をもらわないよう指導するとともに、医療機関を一本化するなどの改善が行われていたことが分かった。また、927人は指導中で、149人は保護廃止などで指導に至っていないとしている。

 同省では「今回のケースを踏まえ、点検をさらに徹底するよう各地方公共団体に依頼したが、生活保護受給者について、平成23年度当初までに導入する電子レセプトの活用で、個々の受給者の病状や受診状況などの把握を徹底し、不適切な受診があれば早期に発見し、適正な受診を指導するよう努める」としている。調査では、通院医療機関が4箇所以上という人も154人(6%)いた。
(編集担当:福角忠夫)