伊藤忠商事、米国リチウム資源開発会社へ資本参加

2010年07月07日 11:00

 伊藤忠商事 <8001> は電気自動車やハイブリッド車などに使用されるリチウムイオン電池材料として需要急増が見込まれているリチウム資源の確保を目指し、米資源開発会社であるシンボル マイニング社(以下シンボル)に資本参加。シンボルは、カリフォルニア州南部に位置する地熱発電所の使用済み地熱かん水に含まれるリチウムを回収、リチウム化合物を製造する事業を推進しており、数年以内の商業生産に向けて製造技術の開発及び改良を実施している。

 同事業は、地熱かん水を利用する世界初のリチウム化合物製造事業であり、シンボルが開発を進めているカリフォルニア州南部地域に存在する地熱かん水にはリチウムが多く含まれている。シンボルはこのリチウムを工業的に抽出することで、世界で最も競争力のあるリチウム化合物を生産する技術開発に成功。また、地熱かん水に含まれる炭酸ガスや地熱かん水の持つ熱源を利用する等、地熱かん水が持つ特長を活用することにより競争力のあるリチウム化合物の生産だけではなく、二酸化炭素排出を抑えた、環境に優しい事業を推進している。

 シンボルの年間生産量は約1万6000トン(炭酸リチウム換算)となる予定で、原料である地熱かん水からリチウム化合物の生産が短時間で行えることから、需要拡大に応じて短期間で増設・増産が可能。将来的には、現在の世界の生産能力である約12万3000トンの約50%に相当する年産6万4000トンの炭酸リチウム生産が可能であり、電気自動車やハイブリッド車の普及によるリチウム資源需要拡大に向け、重要な供給源となることが期待される。
(編集担当:宮園奈美)