MotoGP第3戦、地元でスペイン人ライダーが表彰台を独占

2013年05月06日 18:16

 いよいよヨーロッパラウンドに突入し、ますます盛り上がりを見せるMotoGP。第3戦はいまやトップライダーの宝庫とも言うべきスペイン人ライダーの母国での開催となった。レースの舞台となったヘレス・サーキットは、短い直線から飛び込む最終のヘアピンコーナーが勝負のポイントとなるコースレイアウトで、経験値の高いベテランライダーに有利とも言われている。

 フロントローは26歳の誕生日にポールポジションを決めたホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)、2番手は2戦連続でダニ・ペドロサ(ホンダ)、3番手にスーパールーキーのマルク・マルケス(ホンダ)という2戦目と同じ顔触れとなった。

 ペドロサが得意のロケットスタートを見せ、ホールショットを奪うが、2コーナーですぐに、ロレンソがトップを奪い返し、レースを引っ張る。しかし6周目、ロレンソの背後に付いていたペドロサは、バックストレートエンドでトップに立つと、2位以下との差をジリジリと広げていく。4番手争いは予選4位のカル・クラッチロー(モンスター・ヤマハ・テック3)と5番手のバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)の同じヤマハエンジン同士が激しいバトルを繰り広げた。

 中盤はペドロサの独走状態となり、ロレンソと3秒以上の差を広げる展開に。そして、一人旅状態だったロレンソに徐々に迫ってきたのが、同じポイントで首位を争うマルケスだった。先頭を走っていたペドロサはそのまま独走でフィニッシュし、今季初勝利、通算46勝目を飾った。しかし激しいドックファイトを展開していた2位争いは、最終ラップまでもつれた。バックストレートエンドで、一度はロレンソの前にマルケスが出る形になったが、大きくラインを外し、ロレンソが再び前に。だが、ゴール直前のホルヘ・ロレンソコーナーでインを刺してきたマルケスに弾き飛ばされる形でロレンソが3位に後退し、そのままフィニッシュとなった。序盤での激しい4位争いを制したロッシが、その後単独走行となり4位。アルバロ・バウティスタ(ゴー&ファン・ホンダ・グレシーニ)との激しい5位争いを制したクラッチロウは、サテライト勢では3戦連続のトップ入賞となった。

 レース後、自らの名が付けられた最終コーナーでルーキーに抜かれてしまったロレンソは、表彰台で悔しい表情を滲ませていた。一方バトルを制したマルケスは、ロレンソの持つ20歳345日でのデビュー3戦連続表彰台記録を20歳77日の史上最年少で更新し、またひとつ勲章を得ることになった。同時にポイント争いでも単独トップとなり、ますます今後このルーキーからは目が離せなくなるだろう。

 次回は第4戦、戦いの舞台はフランス「ル・マン」へと移る。(編集担当:北尾準)