キヤノンの「EOSシリーズ」、累計4000万台を突破

2010年05月19日 11:00

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キヤノンは一眼レフカメラ「EOSシリーズ」が、フィルムとデジタルを合わせた累計生産台数4000万台に達したことを発表した。写真は同シリーズのエントリー向けモデル「EOS Kiss X4」。

 キヤノン <7751> は、これまでに発売した同社の一眼レフカメラ「EOSシリーズ」が、フィルムとデジタルを合わせた累計生産台数4000万台に達したことを発表した。また、同時にデジタル一眼のみでも2000万台を超えたことも報告している。

 同社の「EOSシリーズ」は、1987年に当時の福島工場にて生産を開始して以来、順調に生産台数を伸ばし、1997年には累計1000万台、2003年には2000万台、2007年に3000万台を達成してきた。特に、このところのデジタル一眼レフカメラの急速な普及により、今年の3月からは長崎キヤノンでも生産を開始し、さらなる生産体制の強化を図っている。

 EOSシリーズの人気の秘密は、プロ向けから、ハイアマチュア向け、エントリー向けまでの豊富なラインナップにある。中でも同シリーズのエントリーモデル「EOS kissシリーズ」は、高性能映像エンジンやCMOSセンサーなど最新技術を搭載し、軽量化、低価格化を実現したことで、今までコンパクトカメラを利用していた層をも取り込み、好調な売行きを見せている。

 世界経済の停滞の長期化が懸念される中でも、2009年度の全世界でのデジタル一眼レフ出荷台数は約990万台の順調に伸びており、2010年はさらに11.1%増の1100万台に達することが見込まれている(キヤノン調べ)。ここ最近、その勢いは加速しており、今年に1月、2月の生産台数は、ともに対前年同月比が数量・金額ベース共に200%を超えるほどだ(電子情報技術産業協会調べ)。

 このような最近のデジタル一眼レフカメラ市場の活性化は、キヤノンとシェアトップの座を巡って激しく争うニコン <7731> の存在や、新たにソニー <6758> やパナソニック <6752> といった家電大手メーカーが、デジタル一眼レフカメラの市場に積極的に参入してきたことが、業界全体に刺激を与えた結果と考えられる。
(編集担当:北尾準)