新日鉄ソリューションズと日本オラクルは19日、旅行総合サイトの「楽天トラベル」がオラクルのインメモリ・データベース製品「Oracle In-Memory Database Cache 11g」を活用し、サービスの高速化を図ったことを発表した。
楽天トラベルとは、国内外をあわせ約7万軒を越える宿泊施設が登録されている国内最大級の旅行総合サイト。宿泊予約のみならず、航空券とのセット予約、高速バス、レンタカーなど幅広いサービスを展開している。また、ペット専用ホテルやケータイ版楽天トラベル、中国語・韓国語・英語での情報提供など、近年の市場にあわせて、新たなサービスの提供も開始し、その結果、2010年2月には月間252万泊を上回る予約の獲得にも成功している。
1996年の事業開始以来、同サイトを支えるシステムの増強を行ってきた楽天トラベルは、2004年に「Oracle Real Application Clusters」を採用。サービスの拡充、アクセス数に伴う処理能力の強化を実現した。その後もシステムの拡張を行っており、2008年12月には「Oracle Database 11g」にバージョンアップし、現在は10ノードの「Oracle Real Application Clusters」構成で稼動している。加えて、2009年にはオラクルのインメモリ・データベース技術を活用した高速化プロジェクトを開始。今後は、顧客満足度の向上および、宿泊予約などのサービスのレスポンスを強化していくことを検討していた。
そこで、新日鉄ソリューションズが設計・構築を担当し、オラクルの技術者と協力しながら、高速化オプション製品「Oracle In-Memory Database Cache 11g」を採用。楽天トラベルは今回、同データベースにキャッシュすることで検索処理時間の半減に成功した。さらに、従来ではばらつきのあったレスポンスタイムの均一化を図ることも可能となった。
楽天トラベルは、今回のシステムを高く評価し、今後も広範囲のシステムにインメモリ・データベースを導入することを検討中だという。また、新日鉄ソリューションズと日本オラクルでは、より幅広いネットビジネス企業への共同提案活動を今後も積極的に行っていきたいとしている。
(編集担当:山下紗季)