負債総額1000万円以上の2009年度中の企業倒産は1万2866件、負債総額7兆214億6100万円となった。民間信用調査機関の帝国データバンクが8日、発表した。
倒産件数、負債総額ともに、同社が集計基準を変更して以来、初の前年度比減少となった。2008年度は1万3234件、13兆6709億2700万円だった。
ただ、帝国データバンクでは、中小企業金融円滑化法に基づく返済条件の緩和に金融機関が応じたことをはじめ、各種の政策効果の現われによるところが多く、「今年4月以降も倒産の減少が続くかというと『6月頃まで減少するが、7月から9月を境に増加に転じる』可能性がある」としている。
これは「景気の『回復をけん引しているのは外需と低価格戦略で成功する一部の大企業のみ』との指摘があり、足元の倒産減少も、景気回復の恩恵というより、急場をしのぐための金融支援策による部分が大きい。景気の本格回復で中小企業の業績が好転しなければ、夏場以降に、これまで先送りされてきた倒産が相次ぐおそれもある」と懸念している。
(編集担当:福角忠夫)