株式会社村田製作所 <6981> は、WEBアプリ型設計支援ソフト「SimSurfing」を4月1日より公開すると発表した。
同社はこれまでにも、製品の特性グラフの表示やシミュレーション機能を搭載した自社製設計支援ソフトを顧客向けにダウンロード方式で提供していたが、今回公開する「SimSurfing」は、顧客がより手軽に安心して利用できるよう、オンラインでの使用が可能なWEBアプリ型のソフトとなっている。
1日に提供が開始されるのは、まずはパワーインダクタ用のソフトのみとなるようだが、今後1年半の期間を経て、積層セラミックコンデンサやEMIフィルタなど、これまでダウンロード型で提供してきた各製品に対応したWEBアプリ型設計支援ソフトが順次公開されていく見通しだ。また、これまでダウンロード版で提供してきた機能に加え、多言語対応が可能になったほか、エクスポート機能を利用して、顧客が現在使用している各種シュミレーションソフトウェアに組み込むことも可能になっている。
近年、村田製作所に限らず、とくにBtoB企業ではWEBアプリ型ソフトの開発・導入が進んでいる。WEBアプリ型ソフトを利用する大きなメリットとしては、ブラウザさえあれば不特定のパソコンで業務が継続できること。そして、これまでは新製品が出るたびにダウンロードしたソフトにバッチを当てる必要があったが、そのようなクライアントモジュールのメンテナンスも不要となっており、顧客側の手間が大幅に削減されることなどがあげられる。
2000年頃にWEBアプリ型ソフトが登場してからおよそ10年。依然として、セキュリティ面で疑問視する声もあるにはある。しかし、当然のことながら安全面での対策は充分に考慮されて提供されているので、他のオンラインサービスと比べても、WEBアプリ型がことさら脆弱であるとは思えない。今後の業務を効率的に進める意味でも、WEBアプリ型ソフトを導入するメリットの方が大きいといえるだろう。
(編集担当:藤原伊織)