内閣府が公訴時効制度について尋ねた世論調査で、殺人など最も重い犯罪で死刑が科されるような罪に対し、25年の時効についてどう思うかでは回答者の54.9%が「短すぎる」と思っていることが分かった。「長すぎる」は10%、「分からない。一概にいえない」は12.6%だった。
調査は全国の20歳以上の男女2000人を対象に調査員が直接面談方式で聴取したもので、1944人から有効回答を得ていた。
それによると、25年の現行の時効は短すぎると回答した人(1068人)では「殺人など死刑が科されることがある最も刑の重い犯罪の公訴時効制度は廃止する」との回答が45.1%とほぼ半数に近づき、時効制度の存続を認める意見でも「事情にかかわらず時効の期間を25年より長くできるようにする」(19.8%)、「一定の事情がある場合に25年より長くできるようにする」(25.7%)と時効の延長を求める意見が多かった。
時効廃止や時効期間の延長の理由について、短すぎるとした人は「時間の経過によって犯人が処罰されなくなるというのはおかしい」(79.8%)、「その程度の期間が経過しても犯人を処罰してほしいと思う被害者の気持ちが薄れることはない」(55.2%)などをあげる人が多かった。
逆に、「長すぎる」「これくらいでよい」とした人(631人)はその理由に「時間の経過とともに正しい裁判を行うための証拠が集めにくくなる」(49.4%)、「いつまでも捜査を行うことになると人手や費用がかかりすぎる」(36.6%)という合理的な考えの回答がする人が多かった。
(編集担当:福角忠夫)