長妻昭厚生労働大臣は先の行政刷新会議の事業仕分けで、類似品が市販されている場合、医者の処方により出される漢方薬を保険適用から除外すべきとする判断に対し「漢方薬というのはお医者さんが処方するものと全く同じものが市販で手に入るのかどうか、これは処方するわけですので、本当にお医者さんが処方したものがすぐ手軽に薬局に行って同じ成分や同じ効能が手軽に手に入るのかということについて疑問がある」として、慎重に対応する考えを示した。
漢方薬では、表面上は同じ症状を呈していても、ひとりひとりにより処方が違う。加えて「患者さんのご負担が増える話を非常に短い間で、しかも、2年に1回の診療報酬の改定が目前に迫っているところで拙速に決めることについては疑問がある」と事業仕分けの判断に疑問を呈した。
社団法人日本東洋医学会(会員8637人)会長の寺澤捷年・千葉大学大学院医学研究院教授は「事業仕分けの判断は医師から治療手段を奪う暴挙であり、許せない」と強く抗議している。
(編集担当:福角やすえ)