福島みずほ消費者・少子化担当大臣が子育て支援策の総合的ビジョン(仮称=子ども・子育てビジョン)を来年1月末までにまとめたい意向を示し、現在、作業を進めているのを受け、日本経済団体連合会は「国民の結婚・出産に対する希望が実現した場合の合計特殊出生率(1.75)を目安として、子育て環境の改善を実感できる環境整備の進捗状況を点検・評価する仕組みを設けるなど、少子化対策の政策目標を明確に設定すべき」など、ビジョン作成上での基本的視点や施策をまとめて提言した。また、「少子化対策を途切れなく実施するためには安定財源の確保が欠かせない」として「将来的には、消費税率の引き上げにより少子化対策の財源を確保すべきである」と提言している。
経団連はこの中で「出産・子育てに伴う様々な不安、閉塞感の解消や負担軽減に効果の高い施策に特に重点的に取り組むことが必要である。次期大綱では、網羅的な施策の羅列に止まることなく、重点的に対応すべき施策を明確化すべき」とし「仕事と子育ての両立を支える施策(待機児童の解消、多様な就労形態に対応した保育サービスの充実など)、子育ての負担感解消のための施策(一時預かりや子育て世代への経済的支援など)に特に注力すべき」としている。
そのため、「保育制度の抜本的改革を早急に進める」「子ども手当や給付付き税額控除など、歳出・歳入のバランスを図りつつ、一般財源の緊急かつ重点的な充当を図る」「社会全体で子育てを温かく見守り、支えていく雰囲気を醸成する。学校教育などを通じて子育ての意義を伝え、若者が子育てを素晴らしいことと思えるような取り組みを進める」「内閣府主導のもと、子どもや家庭に係る政策の企画立案、執行機関の一元化をめざす」など、実効性をあげるための手立てを行うよう求めている。
財源確保には「低所得者でも購入せざるを得ない一般消費財にも課せられている消費税よりも、旧税制にあった、贅沢品など特定の高額商品にかけた物品税の復活により充当するのもいいのでは」との声もある。
(編集担当:福角やすえ)