MotoGP第3戦フランスGPがルマンブガッティ・サーキットにて開催され、雨の中で行われた決勝レースは、ダニ・ペドロサ(ホンダ)が独走で制し、前説のスペインGPに続き2連勝を飾った。
ウェットなコンディションの中でスタートしたMotoGPクラスの決勝レース。ホールショットを奪ったのは、意外にも3番グリッドから飛び出したアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)だった。後方には、ホルヘ・ロレンソ(ヤマハ)、ダニ・ペドロサ、カル・クラッチロー(モンスター・ヤマハ・テック3)、バレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)らが続き、トップ集団を形成。久々にドゥカティのマシーンがヤマハ、ホンダの2強を従え、主導権を握るというレース序盤の展開となった。
その先頭集団から遅れをとったのが、スーパールーキーのマルク・マルケス(ホンダ)。ポールポジションを獲得したが、スタートに失敗し、オープニングラップで8番手にまで後退した。初めてのウェットコンディションに戸惑いが見え、序盤はデビュー以降の3戦で数々の記録を打ち立てた勢いのある走りは見えなかったが、ラップを刻む毎に感覚をつかんだようで、徐々に順位を上げていく。
レース中盤までは、ドヴィツィオーゾとペドロサが先頭争いを繰り広げていたが、14ラップ目にペドロサが3度目の先頭に立つと、その後は、後続との差を徐々に広げ、最終的には2位に5秒近い差をつけ、前回のスペインGPに続き、独走状態でフィニッシュした。ルマンでは初勝利となり、今季初めてポイントリーダーにも浮上した。
2日目のフリー走行でクラッシュし、負傷しながらも強行出場したクラッチローは2位に入り、チームのホームレースで自己最高位を獲得。サテライトチームにも関わらず、ワークスマシーンを抑え、堂々の表彰台に満足の表情を窺わせた。3位には、驚異的な追い上げを見せたマルケスが入り、4戦連続で表彰台を獲得し、只者ではないところを見せつけた。
序盤に主導権を握っていたドヴィツィオーゾには、ドゥカティ勢として久々の表彰台に期待が集まったが、あと一歩のところでマルケスに交わされ4位。しかし、5位にもニッキー・ヘイデン(ドゥカティ)が入り、昨シーズンの第16戦マレーシアGP以来、TOP5にドゥカティライダーが2人揃って入ったことで、名門復活への兆しを見せた。
昨シーズン王者で、今シーズンも安定した強さを見せていたロレンソは、いつものような粘り強い走りを最後まで見せることなく、7位でゴールした。また同じチームのロッシも4番走行中の18ラップ目に転倒し、12位でのフィニッシュとなった。
次戦のイタリアGPは、ムジェロ・サーキットで開催される。今回のレースで好成績を残したドゥカティ勢のホームレースでもあるが、ヤマハのロッシにとってもホームレースになるだけに、地元ファンの一層の盛り上がりが予想される。(編集担当:北尾準)