小さな自治体にも専従職員置き地球温暖化対策室

2009年10月08日 11:00

 鳩山内閣は世界に向けてCO2排出量を2020年までに1990年比で25%削減することを国連の場で公約したが、国民あげて努力しなければ達成できる数値でないことは誰しも分かっている。こうしたなか、人口12万5000人の小さな地方都市でも今年4月から職員3人を専従に「地球温暖化対策室」を設け、CO2排出削減に地道な活動を続けているところがある。また、この市では市職員70人が地球温暖化対策推進委員になっており、11月8日には市民啓発に向けた「エコフェスタ2009まほろば」を市内中心街で開催する計画だ。

 この自治体は奈良県橿原市。温暖化対策に緑のカーテンをとゴーヤの栽培を市庁舎はじめ幼稚園、小学校、中学校校舎で採用し、直射日光をさえぎることにより、夏の冷房を極力抑制するように努めてきた。また、9月から市内を走るゴミ収集車の2台についてはバイオディーゼル燃料(家庭の食用油の廃油を再資源化したもの)を使用し、年間CO2排出量を約6トン削減することにした。

 このほか、廃棄されていた自転車19台を修理し「公用自転車」として市職員が利用することにより、自動車の使用を極力抑制。これにより年間4トンのCO2削減ができるとしており、今年7月から運用している。地球温暖化対策室では「年度末に自転車の総走行距離から自動車を使用した場合の温室効果ガス排出量を算出し、成果を数値で示したい。また、市民に対して『自転車でストップ!地球温暖化』を呼びかけている」と話している。

 また、11月8日には市中心街の近鉄大和八木駅そばにある県橿原文化会館前広場で「エコフェスタ2009まほろば」が環境活動実施団体はじめ国、県の出先機関も協力して催される計画で、70ブースで環境保全への呼びかけが行われるほか、講演会や生活排水実験、自転車発電体験、ソーラー機関車の乗車体験など、家族で参加してもらえ、啓蒙啓発につながる催事を予定している。地方都市のこうした活動の広がりが、家庭でのCO2削減行動につながっていくものと期待される。

 環境省によると、40ワットの蛍光灯を1日1時間消すだけで年間では4キログラムのCO2削減になり、パソコンでは1日1時間の電源OFFで年間では14キログラムのCO2削減になるそうだ。
(編集担当:福角忠夫)