ダイドードリンコ、主力のコーヒー飲料は好調だが広告宣伝費負担が倍増し増収減益に

2013年05月26日 18:06

 ダイドードリンコ<2590>は5月24日、2014年1月期第1四半期決算を発表した。
 
 連結業績は、売上高は354.07億円で前年同期比7.9%の増収。売上総利益は193.84億円で6.7%の増益だったが、営業利益は3.72億円で77.9%の減益、経常利益は4.24億円で73.9%の減益、四半期純利益は7800万円で82.5%の減益で、1株当たりの四半期純利益は4.72円で前年同期比で22.26円減少した。
 
 売上高を部門別に見ると、飲料販売部門では果汁飲料は11.8%、茶系飲料は5.9%それぞれ減少したが、主力のコーヒー飲料が4種類の「ダイドーブレンド」新製品を投入した効果もあって0.5%増加し、ミネラルウォーター類、機能性飲料もそれぞれ7.8%増で売上に寄与。それでも飲料販売部門全体では1.0%の減収だったが、飲料受託製造部門は「美容と健康」をうたう女性向け商品の開発体制を築き、大手医薬品など有力メーカーが自社生産からOEM生産にシフトしたという事情もあり、多方面の安定した受注を獲得し10.3%伸びている。さらに昨年、ドライフルーツゼリー市場でトップシェアを持つ株式会社たらみを買収・完全子会社化し、「第三の柱」である食品製造販売部門の26.37億円が連結売上高に新たに加わったため、前年同期比で7.9%の増収となった。
 
 利益面では、売上総利益は12.23億円増加したが、前期は下期にウエイトをおいた広告宣伝費を第1四半期から積極投入したことから、広告宣伝費は前年同期の7.71億円から15.75億円へほぼ倍増し、それを含む販売費及び一般管理費が164.74億円から190.12億円へ25.38億円増加した。この影響により、営業利益、経常利益、四半期純利益とも前年同期比で大幅減益となった。しかし広告宣伝費や販売促進費の投入は第2四半期、第3四半期で売上増、利益増という効果をもたらす可能性がある。
 
 2014年1月期通期については、売上高は1593億円で7.0%の増収、営業利益は80億円で0.8%の増益、経常利益は77.5億円で0.3%の増益、当期純利益は44.1億円で前期と同額という業績見通しも、中間期30円、期末30円で年間配当60円という配当見通しも、2月25日に前期の本決算とともに発表したものを修正していない。
 
 第2四半期(5~7月期)から第3四半期(8~10月期)にかけては真夏を中心に飲料販売部門の需要期にあたる。前期は猛暑効果で増収増益だったが、長期予報では今年も暑い夏になると予想されている。同社は特に利益率の高い主力のコーヒー飲料について広告宣伝費、販売促進費を積極投入して販売拡大を図っていく方針で、約28万台の自販機チャネルに特化している強みを活かす。(編集担当:寺尾淳)
  
 春夏の新製品として、ミネラルウォーターの「ミウ」、凍結系果汁入り飲料「みかんジュレ」、栄養機能飲料「スカイシャワー<潤い美発泡>」、「五大庵 梅の恵み」「五大庵 梅の恵み微発泡」、「ドラゴンボールサイダー」、「ドラゴンボールコーラZERO」などを投入。たらみとのコラボ商品も新たに投入する予定で、買収による商品開発面での相乗効果も加えてこの夏、さらなる売上増を狙っている。
(編集担当:寺尾淳)