菅義偉官房長官はアルジェリアでの邦人人質事件を踏まえ、政府として在留邦人や在外企業の安全確保にむけて、早急に取り組む対策を30日、発表した。
まず、危機の際の官民連携・協力の抜本的強化を図るとしている。そのため、官民合同で実践的な集中セミナーや合同訓練を実施するとし、初のセミナーは7月に開く。また危険地域に進出する企業との情報共有を強化する。
菅官房長官は安全・危険情報の発信強化に努めるとし、在留届出制度の運用の改善やショートメッセージサービスなど安否確認情報の発信を導入するとした。
また、即応態勢の強化に向け、現地での初動対応や情報収集を迅速に行うため、国際テロリズム緊急展開班の派遣体制を強化するとともに、新たに海外緊急展開チームを編成するとした。
海外緊急展開チームは省庁横断的に現地情勢に知見のある専門家や邦人保護の要因で構成。中長期的な課題についても、「私(官房長官)が責任を持って施策の実をあげていく」と語った。
今年1月に発生したアルジェリアでの邦人人質事件では10人の邦人が犠牲になった。このため、事件発生直後からの検証とこれを踏まえた安全確保のあり方が求められていた。(編集担当:森高龍二)