総務省は総務大臣名、総務事務次官名で関係各省庁に対し、国と地方公共団体との財政負担の適正化や直轄事業の見直し、経済危機対策などによる基金事業の運用などを盛り込んだ2010年度地方財政措置について、留意事項の申し入れを行った。
国庫補助負担金では「国の財政負担を地方に転嫁するようなことは厳に行わないようにされたい」と要請している。
申し入れのうち、文部科学省に対しては教職員定数の削減(基本方針2006に沿って、配置基準の見直しや小規模学校の統廃合の推進などにより2011年までに1万人程度の純減確保の達成を)や教員給与の見直し(人材確保法に基づく教員給与優遇措置の確実な縮減実施)、教育行政においての国と地方との役割の見直し、少子化対策のための財政措置などをあげた。
厚生労働省に対しては生活保護制度の見直し(地方の意見を十分に反映させながら見直しを。国の負担を地方に転嫁することのないように)、地域の医療提供体制の確保の推進、新型インフルエンザ対策に係る財政措置など。
国土交通省に対しては関係地方公共団体の助成の義務付けなどの是正、直轄事業の見直し、地域活力基盤創造交付金の運用などをあげた。
今回の留意事項では地方の自主性と自立性の強化を図るため、国の関与や国庫補助負担金の廃止、縮減をあげているほか、国と地方間の財政秩序を図るため、直轄事業の見直し、国庫補助負担金などの超過負担の解消などを特に取り上げている。
直轄事業の見直しでは「全国的な見地から必要な基礎的・広域的事業に限定し、それ以外は地方公共団体に移管を。また、維持管理費にかかる直轄事業負担金の廃止、直轄事業負担金の対象範囲の基準の明示・見直しを早急に行うとともに、事業の計画・実施・変更に関して事前協議を早急に法定化し、直轄事業負担金にかかる積算内訳などの情報開示の徹底を図るよう求めている。直轄事業負担金の対象範囲基準の明示などは橋下徹大阪府知事らも省庁に求めていた。
(情報提供:エコノミックニュース 編集:福角忠夫)