学校校舎木材利用促進へ研究会立ち上げ 林野庁

2009年06月30日 11:00

 木材が持つ暖かさや高い吸湿性、やわらかな安堵感を与える特質などを学校教育施設に活かすことにより、こどもたちへの教育効果をたかめよう、と学校施設での木材の活用推進のあり方を研究するための研究会(学校の木造設計を考える研究会)が林野庁に立ち上げられる。第1回会合は7月2日午後3時から農林水産省本館2階生産局第1会議室で開かれる。

 林野庁では地方自治体が木材を使って学校校舎を建設したり、施設の内装に木材を活用する参考事例を提示することができれば、と研究会の研究成果に期待している。「研究会で早ければ年内に、遅くとも年度内に成果をまとめたい」(林野庁林政部木材利用課)意向。

 木造校舎では栃木県茂木町が昨年秋に木造建築で茂木中学校を完成させており、2階建て4棟からなり、延べ床面積4600平方メートル。ほかに木材をふんだんに取り入れたRC構造の体育館などを有しているが、町有林のスギ、ヒノキなどを活用したこともあって、校舎は1平方メートルあたりの単価25万円で建設できた、という。また、学習机もすべて木材を活用した温かみあふれるもの。こうした事例の設計やコストなども研究テーマの柱になっている。また、秋田県でも木造校舎に取り組んでいる自治体があり、こうした事例を収集、分析していく予定。

 研究会は長澤悟東洋大学工学部建築学科教授をはじめ、山辺豊彦山辺構造設計事務所代表取締役、加来照彦現代計画研究所取締役、飯島泰男秋田県立大学木材高度加工研究所教授、小林大介横浜国立大学教育人間科学部技術教育講座講師、岡田恒財団法人日本住宅・木材技術センター試験研究所長、青井秀樹独立行政法人森林総合研究所主任研究員、小崎正浩栃木県茂木町教育委員会生涯学習課課長補佐の8人で構成され、オブザーバーとして文部科学省と国土交通省が参加する。

 初会合では木材を活用することの効果と意義について話し合うほか、以降の会合では木材を活用した事例をもとに設計やコスト、木造化を進めるための方策などを研究する。4回程度の会合が予定されている。
(情報提供:エコノミックニュース 編集:福角忠夫)