アナログテレビ放送停波 時期の認知度アップを

2009年05月18日 11:00

 総務省は地上デジタルテレビ放送の浸透度調査の結果、アナログ放送停波の認知度が97・7%となったことを受け「ほぼ定着した」との判断を示すとともに、停波時期についての正確な時期の認知度については89・6%と過去に比べ増加傾向にあるものの「さらに認知度を上げることが課題」としている。

 地上アナログテレビ放送は2011年7月24日までに終了することになっている。総務省では地上デジタル放送への移行に関する認知度の向上や受信機の普及促進に向けた取り組みをすすめており、今回の調査は今年3月に社団法人中央調査会に委託し、全国47都道府県の男女15歳から80歳までの個人を対象にRDD法によりサンプル抽出した上で、郵送によりアンケートを実施した。サンプル数は1万2375。

 その結果、アナログテレビ放送の停波を知っているかどうかでは97・7%が知っていると回答。知らないは1・9%にとどまった。停波の時期については2011年と正しく認知していたのは89・6%。分からないや無回答、2012年、2013年など誤った認識をしている回答を含めて10・4%あった。

 アナログテレビ放送停波については複数回答で「様々な魅力を持つ地上デジタルテレビ放送が視聴できるようになるのだから良い」と歓迎するものが42・9%と最も多かったが、「国の政策だから仕方ない」(29・2%)「できれば地上アナログテレビ放送も続けてほしい」(27・8%)という率も高かった。特に、地上デジタルテレビ放送視聴者層では「様々な魅力を持つ地上デジタルテレビ放送が視聴できるようになるのだから良い」と歓迎の率は51・1%と高かったのに対し、地上デジタルテレビ放送非視聴者層では「国の政策だから仕方ない」(32・9%)「できれば地上アナログテレビ放送も続けてほしい」(31・0%)との率が高かった。

 次に地上デジタルテレビ放送対応受信機の世帯普及率をみると、60・7%が何らかの形で受信機を保有していた。受信機を購入した動機では「テレビの買い換え時期だったから」が43・0%で最も多く、「アナログ放送が終わるのを見越して」は36・3%、「薄型テレビが欲しかったから」が35・3%となっていた。世帯普及率で最も低かったのは沖縄県の37・1%、逆に最も高かったのは福井県の68・6%。東京都は63・8%になっていた。

 このほか、今回の調査で、地上デジタルテレビ放送視聴可能世帯率が51・8%と初めて50%を超えたことや、視聴した感想として、画質の良さなどから、8割近くが満足、やや満足と回答していることが分かった。

 総務省では「受信機を保有しながら地上デジタルテレビ放送が視聴できない世帯が7・4%あることも分かった。これらの方々に視聴するための具体的な受信方法などを周知するなどの取り組みをしていかねばならない」としている。

 また、地上デジタルテレビ放送対応受信機を1台も保有していないと回答した人への質問で、アナログ放送停波までの対応予定について81・2%の人は「対応する予定あり」としていたが、「対応予定なし」(6・2%)「分からない」(9・6%)とする人では、その理由に「経済的に地上デジタルテレビ放送に対応する余裕がないから」(42・8%)とするものが最も多かった。
(情報提供:エコノミックニュース 編集:福角忠夫)