鳩山邦夫総務大臣は企業献金のあり方について「自身の考えはまとまっていない」としながらも、「今の政党交付金制度を続けるのであれば、企業献金全面禁止というのはひとつの考え方だ」と語った。
民主党が企業献金全廃の方針を打ち出していることについて記者団から感想を求められて答えた。
鳩山大臣は「政治資金も、今みたいな政党交付金制度がいいのかどうかというのは、私は、私の心の中でまだ十分消化し切れていない。本当は政党交付金制度というのは、いいのか悪いのかは、まだ、私は判断つかないのです」と国民が間接的に税金から年間1人あたり250円を出す形(総額は直近の国勢調査人口に250円を乗じて算出する)で政党活動を負担している政党交付金制度自体に是非をつけかねているとの姿勢を示した。
そのうえで「今の政党交付金の制度があるのだったら、企業献金を全面禁止してもおかしくないのかなと思うことはあります。ただ、政党交付金というのは一人いくらというので、国民からいただいている、それがやはりおかしいというのであれば、政党交付金制度をやめて、企業献金が当然必要になってくるでしょう」と政党交付金と企業献金は同時に議論して考えなければならない性質のものであるとの意向をうかがわせた。
ちなみに平成20年分の政党交付金は自民党158億4263万8000円、民主党118億7848万9000円、公明党27億3072万9000円、社会民主党9億229万5000円、国民新党3億8395万5000円、新党日本2億388万9000円に上っている。
政党交付金を拒否している日本共産党はこの制度について「自分の納めた税金が自分の支持していない政党に強制的にまわされることになる強制献金制度だ。これは、憲法の保障する思想・良心の自由をふみにじるもの。また、本来国民に依拠して自律的に活動すべき政党のあり方をゆがめ、税金のひもつきにしてしまうもので、政党と政党政治を堕落させる」と指摘し、早期の廃止を訴えている。