健康食品から麻薬の前駆物質 都が販売中止指示

2009年04月08日 11:00

 健康食品から麻薬であるGHB(ガンマヒドロキシ酪酸)の前駆物質など、医薬品成分が検出された、として東京都は薬事法に抵触する商品4品目のうち、3品目を売っていた都内の店舗に対し4月7日までに販売中止を指示するとともに、残りの1品目を販売していた大阪府内の店舗については大阪府に措置を依頼した。また、商品を持っている人には、直ちに使用を中止し、健康被害が疑われる場合には速やかに医療機関を受診してほしい」と呼びかけている。

 これは平成20年度に実施した健康食品の試買調査の結果、インターネットで購入した製品から検出されたもので、問題の商品は「MISTERe」(6カプセル、5000円)と「SPANISH FLY D9」(10ミリリットル、1900円)、「SPANISH FLY D10」(同)、「Egypt Cleopatra」(5ミリリットル、2000円)。

 東京都健康安全研究センターの検査によると「MISTERe」から検出されたエフェドリンは国内では医薬品(エフェドリン塩酸塩)として承認され、気管支喘息や感冒に伴う咳、鼻粘膜の充血等に使用されているが、副作用として血清カリウム値の低下や心悸亢進、食欲不振、発疹、口渇があるとしている。

 また、SPANISH FLY D9とSPANISH FLY D10から検出された抱水クロラールは日本薬局方に収載され、医薬品として承認されており、不眠症などの治療に使用されるが、連用により薬物依存を生じることがあるほか、めまいや注意力低下などを起こすことがあり、自動車の運転など危険を伴う機械の操作には従事しないように注意が必要。また、副作用として冷汗、顔面蒼白、全身発赤等のショック、アナフィラキシー様症状、めまい、悪心、嘔吐、抑うつなどがある、という。

 Egypt Cleopatraから検出されたGBLは「ガンマブチロラクトンのことで、麻薬であるGHBの前駆物質。健康被害が発生するおそれは否定できない」としている。