裁判員制度運用で「日当」など環境整備へ意見書

2009年04月03日 11:00

 裁判員制度は来月からスタートするが、民主党は裁判員制度実施に向けた環境整備を図るべきだとして、森法務大臣に4月2日までに意見書を提出した。森大臣は提案について「きちんと対応していきたい」との意向を伝えた。

 改善すべき点として、(1)取り調べの全過程の録音・録画と検察官手持ち全証拠のリスト開示の義務づけ(2)裁判員日当の適切な額への引き上げ(現在1万円となっている「日当」の適切な額への引き上げ。法文で「日当」とされているため、額の引き上げが難しい現状を踏まえ「日当」を「手当」等に改める)(3)一時保育サービスや介護サービスを利用した場合の自己負担費用相当額の支給を行えるようにする。これら3点については「早急にすべき」と改善を求めている。

 また、裁判員制度を運用していく中で検討していくべき項目として(1)裁判員の秘密漏示や出頭拒否への制裁の弾力的運用(2)保釈による防御権の保障(3)新たな争点や証拠の提出制限の見直し(4)その他部分判決の見直しなど被告人の防御権と公正な裁判の保障についての阻害要因の除去(5)裁判員が参加しやすい環境作り(裁判所内への託児施設設置など)を求めた。