大量に使用したり、長期間にわたって広範囲に使用した場合に緑内障発症などの危険な副作用が心配される「プロピオン酸クロベタゾール」が化粧品に配合されていた、として奈良県は該当する商品「がいようクリーム30g」(瓶入り)を製造販売していた奈良県吉野郡吉野町志賀390にある株式会社コスメプロに対し、製造販売の中止と商品の回収を命じた。また、県ホームページや報道機関を通して、この商品を使用している人は直ちに使用をやめ「速やかに医療機関を受診するよう」呼びかけている。
問題の商品は平成18年3月から今年1月22日までの間に7627本出荷されており、インターネットや店頭で販売されていた。中国からの輸入商品だった。
プロピオン酸クロベタゾールは医薬品成分で、外用ステロイドホルモン製剤としては最も作用の強い部類に属していることから、化粧品基準で「配合禁止成分」になっている。国立医薬品食品衛生研究所の検査で、この成分が該当商品から検出されたもので、プロピオン酸クロベタゾールは湿疹や皮膚炎群などの治療に用いられるが、皮膚萎縮や毛のう炎などの副作用や大量使用では緑内障を発症する危険がある。
業者は県の指示に従って今月10日から自主回収に入っている。また「対象商品の販売先についてはほぼ特定できており、取引先販売店の回収協力のもと、早期に回収する」としている。使用者はまず医療機関で受診を。