御手洗冨士夫日本経済団体連合会会長は春季の労使交渉について「定期昇給の凍結を検討することさえあり得る厳しい状況と認識している」と経営側として、雇用確保を優先するなかでは、賃金にまで対応できない状況に企業があるとの認識を示した。
同会長は「企業の景況感は非常に悪化している。2009年の第1四半期から第2四半期にかけて、景気はさらに悪化するとの予測もある」と語り、「ベアに耐えられる企業はほとんどなくなってきていると思う。輸出企業を中心に、定期昇給の凍結を検討することさえあり得る厳しい状況」とした。
また、景気対策については「21年度予算や関連法案を早期に成立させるとともに、21年度補正予算を直ちに編成すべき。切れ目なく政策を打っていくことが重要」と語り、補正予算の内容について「需要と雇用の創出に直ちにつながるような、大規模で即効性のあるものとすべき。例えば、次世代自動車や省エネ家電、住宅の取得・買換え促進、大都市環状道路の整備や地方交通網における「ミッシング・リンク」の解消、雇用のセーフティーネットの拡充などがあげられる。規模については、25兆円程度は必要」との認識を示した。