半世紀に1回の「農地法大改正」所有から利用へ

2009年02月16日 11:00

 自民党の農林部会、総合農政調査会、林政調査会は食料自給率の向上をはじめとして遊休農地の荒廃解消、農業用地の有効活用などを目的とした農地法改正案を了承した。「今後の農政を方向づける50年に1回の大改正」(谷津義男総合農政調査会長)として、日本農業に大きな意義を持つ改正となる。

 改正案は、農地の転用・貸借についての規制見直しを行うことにより、農地の利用集積を図り農地を最大限に有効利用できるよう農地法を含む関連4法の改正を図るもの。

 特に、今回の農地改革では農業生産法人以外の法人にも農地の賃貸を認め、農業参入を促がす。農地利用の促進を図るための法的規制緩和を図る。農地に対し所有権や耕作権など何らかの権利を有する権利者に対し、農業生産を通じて適正かつ効率的に農地を利用する責務を有する旨を法律上明確に位置付ける。農業協同組合自らが農業経営を行うことを可能にする。地域における農地借地料について、作物別、圃場条件別等の実勢借地料の情報を幅広く提供する仕組みを農水省として新たに設けることにより、賃貸借による農地利用の促進を図る。

 また、これまで許可が不要だった病院や学校などの公共施設設置のための農地転用についても知事等と協議を図る仕組みを設け、違反転用の場合の罰金額を引き上げる。さらに、所有者が判明しない耕作放棄地については申請があれば知事判断で利活用できる仕組みを導入するなどの規定も設けられ、農地の所有権に重点をおいた現行の農地法に対し、改正案は農地利用促進に重点を置いたものになっている。