厚生労働省が東証1部上場企業1000社を対象に企業本社で働いている外国人社員の活用実態についてアンケート調査した結果、255社から回答があり、133社(52・2%)で、2195人の外国人が働いており、うち、79人は管理職に就いていることが分かった。また、出身国別では中国出身者が外国人社員全体の79・2%を占め、断トツの1位、その他のアジア諸国(3・8%)、ヨーロッパ諸国(3・1%)、北米諸国(同)と続いた。
調査は外国人雇用施策を検討する際の基礎資料にするため、今年8月1日から25日までの間で実施したもので、外国人社員を活用する目的では「総合職で国内での将来の基幹社員としての働きを期待する」(73・8%)ものや「海外拠点での将来の基幹社員として育成することを期待する」(58・8%)ものが多かった。
外国人活用を1社当たりの平均人数でみると、本社における外国人社員の平均人数は約17人、外国人を活用している企業の全社員の平均人数は約6347人で、本社において外国人社員を活用している企業における社員全体に占める外国人社員の割合は0・26%になっていた。
外国人社員の雇用形態ごとの内訳では正社員が880人、正社員以外が13151人(契約社員484人、受け入れている派遣社員624人、パート・アルバイト34人、研修生173人)で、職種別では「生産・製造」が28・8%と最も多く、次いで、「営業・販売」が17・0%、「システム開発・設計」が10・4%、「エンジニア」が9・6%の順になっていた。
外国人社員を活用する理由では「国籍に関係なく優秀な人材を確保するため」が正社員では88・9%、契約社員では62・3%といずれもトップを占め、契約社員では「職務上外国語の使用が必要なため」という理由も52・5%と高かった。
外国人を活用する上での問題では「職場内で意思の疎通に不安がある」(41・5%)が最も多く、「文化・習慣の違いによって生じる不具合がある」が36・9%と続いた。非製造業では「日本人社員より仕事の与え方が難しい」(17・3%)という比率も高かった。