農業協同組合に農業経営の道を開く農地改革

2008年12月10日 11:00

 食料自給率の向上とともに、農地の荒廃を防ぎ、農地保全をめざす農林水産省は、農業協同組合に農業経営に乗り出すことを認める農地改革プランをまとめた。

 農業協同組合の農業参入については、現行では農業経営の受託、子会社の設立等の場合に限定されているが、農地の賃借権等を設定する場合の要件を緩和することに併せて、他の法人と同様に、農業協同組合自らが農業経営を行うことができるようにする、としている。

 専業農家から兼業農家へ、兼業農家から非農家へと、世帯主の就業構造の変化により、遊休農地、耕作放棄農地は全国的に増えており、農地面積は逆に、昭和36年の609万ヘクタールをピークに、年々減り続け、現在(平成20年)は463万ヘクタールと約7割の水準にまで減少している。

 こうした中で、地域の事情に詳しい農業協同組合が直接、農業経営に参入できるようになれば、耕作はしていないが農地は持っているという農地所有者と地域的な信頼関係を築いている農協の場合、両者間で貸借契約を締結し、荒廃しがちな農地が有効利用される可能性は格段に上がると予測されている。

 また、同省では農地の有効利用を促がす環境整備を図るために、農地を利用する意欲のある人に対して賃借権等を設定する場合の要件を緩和することにし、個人はもとより農業生産法人以外の法人についても貸借による参入を拡大する考えを農地改革プランに盛り込んでいる。

 このほか、農業生産法人への出資制限についても、現行では、食品関連事業者等から農業生産法人への出資には制限が課されているが、食品関連事業者等との連携の強化や資本の充実を図る観点から、これを緩和する。ただし、農業生産法人が地域の農業者を中心とする法人であるとの性格は維持することとする。