骨粗鬆症患者の骨折頻度抑制へ新薬

2009年02月06日 11:00

 中外製薬と大正製薬は、共同開発中の活性型ビタミンD3誘導体(一般名eldecalcitol)の無作為化二重盲検群間比較試験で骨粗鬆症患者の新たな椎体骨折の発生頻度を有意に抑制する結果が得られた、と発表した。

 eldecalcitolは中外製薬が創製した活性型ビタミンD3誘導体で、国内で骨粗鬆症治療薬として使用されている活性型ビタミンD3製剤の骨に対する作用を高めた薬剤。

 試験は1087人の患者から無作為にeldecalcitolを投与する患者とアルファカルシドールを投与する患者(いずれも1日1回経口投与)に割り振り、3年間での新たな椎体骨折の発生頻度を観た。

 その結果、eldecalcitolを投与した患者は、アルファカルシドールを投与した患者と比較して、骨折発生頻度の低下が認められ、eldecalcitolの骨折予防効果に関する優越性が証明された。

 骨粗鬆症の国内患者数は現在約1200万人と推定され、骨粗鬆症に起因する骨折は寝たきりなどのQOL(生活の質、生命の質)の低下につながり死亡リスクも高めることから、骨密度と骨質を改善し、骨折の発生を抑制する治療が必要といわれている。

 中外製薬と大正製薬は「新たな治療薬として期待されるeldecalcitolを通じて、より多くの患者さんの骨粗鬆症治療に貢献したいと考えています」とコメントしている。