行政の無駄を排除するための行政支出総点検会議(座長・茂木友三郎キッコーマン代表取締役会長、東国原英夫宮崎県知事ら座長含め10人で構成)が内閣官房副長官らも出席のもとで、進んでいる。このうち、人事院をはじめ、内閣官房、内閣府、総務省、法務省、財務省、国土交通省について、公益法人への支出や特別会計の支出、政策の棚卸し、広報経費、タクシー利用などの課題を議論してきたワーキングチームの中間報告が今月まとめられた。その結果、公益法人への支出については、「18年度決算から21年度予算(概算要求)ベースで3割削減が総点検会議で指摘されたが、指摘通り3割削減を達成しているところがある一方で、できていないところもある」と指摘。「達成できるよう、不適切な支出を見直し、削減を拡大するよう引き続き検討を求めている」と報告している。
個別の公益法人への支出では、「国・独立行政法人などから支出を受けているものについては、支出にかかる事業の必要性や事業の妥当性などについて検証する必要がある」とした。
中でも、財・民事法務協会に対しては「法務局の乙号事務(登記事項証明書の交付等の業務)について、市場化テストによる民間競争入札が行われているが、従来、法務局の業務を随意契約で多く受託してきた同協会がほぼ一手に落札している。総合評価方式において先行者が過度に有利になっている可能性があるため、他の民間事業者の参入を促進し実質的な競争性を確保すべき」としている。
また、建設弘済会8法人については「道路整備勘定及び治水勘定から多額の支出があり、競争性のある契約形態に移行しているが、一者応札が多発しており、実質的に競争性が確保されているとはいえない」として「その要因分析及び見直し方策の報告を求めている」。
また、財・河川環境管理財団については「水辺共生体験館、木曽川文庫など(広報施設、体験施設等)の管理・運営事業への支出について、現時点では効果も不明であり停止を検討すべき」と指摘。
同じく財・住宅管理協会については「公的な枠組みで造られた大規模な住宅の管理を公益法人が独占的に受託する構図は不透明。民間企業の事業機会を、結果として排除しており、経済活性化の観点からも不適切である。住宅の管理業務については、競争性の高い契約形態に移行し、手続きの透明性を高め、コスト縮減を図るべき」と指摘。
さらに、国土交通省が発行している広報誌について、「国土交通省が編集協力を行い、社・建設広報協議会、財・運輸振興協会、財・国土計画協会、財・北海道開発協会の4つの公益法人が順番に編集・発行しており、不透明な契約となっているのではないか。広報の在り方としても紙媒体に拘らず、ホームページなどの活用によるやり方に改めるべきでないか」など、問題点を指摘し、改善を求めている。
このほか、行政支出の節減・効率化では、広報費、委託調査費については、平成21年度概算要求基準において、ゼロベースでの見直し、レクリエーション経費については原則廃止が方針として定められており、方針に沿った結果を示すよう、要請した。なお、内閣府の要求などには、この方針が反映されておらず、一段の取組を要請したと報告している。