公正取引委員会は毎年11月を『下請取引適正化推進月間』として、中小企業庁と共同して『下請取引適正化推進講習会』を開催するなど、下請法の普及・啓発に努めており、今年も、下請事業者支援特別対策として、書面による調査を実施し、複数回にわたり正当な理由がなく回答を寄こしてこない親事業者を対象に事業所を訪ね、書面調査への回答を求めるとともに、下請法違反の被疑事実がないかどうかを調べる。また、過去に複数回にわたり改善指導を実施している親事業者の代表や役員を公取に招致し、下請法遵守のための取り組みについてヒアリングするほか、再発防止の徹底を求める意向だ。
このほか、今年は、従来の取り組みに加え、全国約50箇所の地方都市で下請事業者の生の声を聴取するとともに、親事業所へ調査に入る場合に下請事業者が情報提供協力を行っても親事業者に特定されないよう諸所の工夫をしていることなどを説明し、情報の提供を促がすための「草の根下請懇談会」(仮称)を開催することにしている。また、関係行政機関が下請法違反のおそれがある事実を把握した場合に公正取引委員会に通報する「下請保護情報ネットワーク」(仮称)を創設する意向だ。
公正取引員会では、こうした新規事業実施のための経費を捻出するため、9月29日に今年度の補正予算案として、国会に提出している。