近畿大学との共同研究成果を発表

2008年11月14日 11:00

 ローヤルゼリー等のミツバチ産品を製造・販売する山田養蜂場は、酸素処理ローヤルゼリーの有用性に関する研究を、近畿大学農学部の森山達哉准教授と共同で行い、京都大学で2008年9月5~7日に開催された日本食品科学工学会第55回大会において、「独自技術によって開発した酵素処理ローヤルゼリーは脂質代謝を適切に調整しうる、アレルゲン性の低い有用な食品素材である」という研究成果を発表した。

 コレステロールや中性脂肪が多くなり過ぎる病気である高脂血症は、推定有病者数が3,000万人にものぼり、動脈硬化や心筋梗塞・脳梗塞の原因になることもある。痛みや自覚症状が無いため放置される場合が多く、予防や早期発見・早期治療が難しい病気とされている。今回の共同研究では、高脂血症予防の観点から、ローヤルゼリーの脂質代謝調整機能に着目し、酵素処理ローヤルゼリーの有用性の検証と作用メカニズムの解析が行われた。試験方法は、ヒト肝臓由来培養細胞にローヤルゼリーまたは酵素処理ローヤルゼリーを加え、培地中に分泌されるアポBタンパク質の量を測定するというもの。結果、酸素処理ローヤルゼリーが過剰にあると高脂血症を引き起こす原因となるリポタンパク質(タンパク質と脂質の複合物)の分泌をローヤルゼリーが抑制することが明らかとなった。また、酵素処理ローヤルゼリーは細胞の生存率には影響を与えなかったことから、安全性の高い脂質代謝調整機能を持った食品素材であることが示された。

 ローヤルゼリーは、これまでに、更年期周辺の不定愁訴の緩和や、インスリン抵抗性の改善、高血圧の改善などに効果があるとされてきた。今回、高脂血症に関しても効果がある可能性が示唆されたことで、山田養蜂場では、さらにローヤルゼリー等のミツバチ産品の可能性を探索し、その有用性を最大限に発揮させる目的で研究・開発を進めていく考えだ。