国家公務員の倫理感に対する評価は

2008年05月19日 11:00

 国家公務員制度改革基本法案の今国会での成立を福田康夫首相は与党の国会対策委員長に指示するなど、成立への意欲を見せている。同法案には幹部人事を一元管理する内閣人事庁の設置をはじめ、国家公務員としての倫理の確立、信賞必罰の徹底などが盛り込まれているが、人事院国家公務員倫理審査会が昨年11月に国民の中から公募により選ばれた国家公務員に関するモニター500人と全国の有識者に委嘱している公務員倫理モニター200人から公務員倫理に関するアンケート調査を行った結果、国家公務員の姿勢として不足しているものや更に求められるものについて、市民モニターの回答(回答率94・2%)では「予算の財源は税金であるという自覚」をあげる人が最も多く、有識者モニター(回答率95・5%)では「使命感や責任感」が多かった。また、国家公務員の倫理観に対する印象では市民モニターの50・3%、有識者モニターの45・3%が倫理観は低い、あるいは一部で高い者もいるが全体として低い、どちらともいえないなど、厳しい見方をしていることが分かった。市民モニターでは前年度調査に比べ5・4ポイント、有識者モニターでは20・4%も厳しい見方が増えていた。

 過去1年にマスコミに報道された国家公務員の不祥事で非常に問題だと思うものについて(複数回答)は、防衛省の前次官問題がトップで、社会保険庁の年金問題がこれに続いた。

 防衛省前次官問題などの影響も背景にあって、国家公務員の倫理保持状況についての回答では悪くなっているが32・1%と前年度(15・5%)の2倍になったほか、少し悪くなっているをあわせると、47・6%と約半分が悪くなっているとの印象を受けていた。一般職員に対しても悪くなっている、あるいは少し悪くなっているとの回答が31・8%と前年度(26・7%)より5・1ポイント増えていた。

 倫理規定に対する市民モニターの意見では「利害関係者であっても、訪問時に持参する茶菓子程度の手土産は受け取る方が良い。拒否することは人の情を踏みにじることになる」との意見がある一方、「利害関係者との飲食は割り勘であっても禁止すべき」というものや「講演、監修などについて個人が報酬を受け取るなど論外。依頼者からは必要額を国庫に納めてもらい、時間外手当や出張手当などで支給するべき」などの意見が寄せられていた。

 また、利害関係者と共にゴルフをすることは自己費用を負担する場合であっても禁止している現行の倫理規定について、市民モニターの67・1%は現行通りで良いと回答。自費で許可や届出があれば認めても良いとするものが18・9%、自費であれば認めて良いが6・4%だった。認めるケースは前年度より減少し、認めないが前年度より7・4ポイント増加した。利害関係者との接触について厳しい見方が増えていた。

 一方、各府省に通報制度の窓口があることを知っているかどうかでは、市民モニターの73・5%は知らなかった。