巨大SNSとして日本でも人気の高い米Facebookは、現地時間の6月20日、本社キャンパスで開催したイベントの席上にて、新しい動画投稿サービス「Video on Instagram」を発表して話題となっている。
同サービスは、同社傘下の写真投稿サービス「Instagram」の新機能として提供されるもので、iPhoneまたはAndroid 4.1以降のAndroid端末で同アプリを使って、3~15秒の動画を撮影し、投稿できるというもの。
先行する類似のサービスとして、Twitter傘下の動画共有サービス「Vine」があるが、Vineの投稿可能な動画は最長6秒間であるのに対し、Video on Instagramは最長15秒となっているほか、Instagramの特色の一つでもある多彩なフィルタの動画専用バージョンも利用可能だ。さらにiPhone 4Sと5で使用する場合、手振れ除去機能「Cinema」も使える。ただし、Vineで好評を得ているループ機能は使えない。
Vineの方も、1月にiOS版が開始され、6月にAndroid4.0以降に対応したAndroid版のアプリをリリースしたばかりだが、すでに1300万人を超えるユーザーを獲得したといわれているほどの盛況振りをみせており、SNSの新しい可能性を示している。
日本ではこれまで、動画投稿サービスといえばYouTubeやニコニコ動画が人気を二分してきた。しかし、いずれのサービスも、見る方はよくてもアップする手間と内容を考えると、投稿する側にはなかなか回れなかった。
でも、Video on InstagramやVineのようなサービスなら、YouTubeにアップするほどでもない動画を気軽にアップでき、写真だけの投稿よりもストーリー性を盛り込める。しかも、数秒単位の短い時間であることから、見る側もより気軽に、SNSの投稿を読むような感覚で見ることができる。
そして、この最も新しく魅力的なメディアをマーケティングに利用する動きも始まっている。映画や音楽のプロモーションをはじめ、製品やサービスの紹介、顧客にとって有意義な情報公開など、用途はアイデアとセンス次第だ。
すでに海外ではVineを使ったプロモーションが盛んに行なわれているが、その大きなメリットの一つにループ機能がある。6秒の短い動画だからこそ、面白ければついつい何度も、ループして見てしまう。これほど理想的なコマーシャルメディアは他にないだろう。しかもTwitterやFacebookなどのSNSと連携させれば費用対効果は抜群だ。
欧米諸国ではこれまでにも、YouTubeを活用した動画マーケティングが盛んに行なわれてきたが、日本ではアーティスト等が新曲のプロモーションに活用する程度に留まっており、一般企業がマーケティングに組み入れるようなことは、ほとんど行なわれていない。
しかし、VineやInstagramの母体は日本でも人気のある二大SNS。一旦火が点けば、面白いことになるかもしれない。(編集担当:藤原伊織)