GoogleがAppleを出し抜き、Waviiを買収

2013年04月29日 17:38

 現地時間2013年4月23日、米Googleが自然言語処理技術を手がける米ベンチャー企業、Waviiを3000万ドル以上で買収したと、TechCrunch、Reuters、Wall Street Journalなど、複数の海外メディアが報じて話題になっている。

 Waviiは、Microsoftの元従業員であったAdrian Aoun氏が約1年前に米ワシントン州シアトルに設立した新興企業。従業員数はわずか25人ながら、12年4月からはすでに、同名のiOS向けのアプリケーションを展開し、ネット上に散在するあらゆるニュースや情報を要約して、フェイスブックのようなニュースフィード形式で伝えるサービスを提供している。一言でいえば、Webキュレーションサービスだ。

 実はこの買収劇は、米Appleも先日、同社の音声認識ソフト「Siri」にWaviiの自然言語処理技術を導入して技術向上を図る意向を示し、Wavii買収に関心を表明していた矢先の出来事だった。

 一方、GoogleがWavii買収に踏み切った表向きの目的は、検索サービスや、検索結果に関連情報を付加して表示するKnowledge Graphの向上のためといわれているが、このタイミングではAppleが、まんまと出し抜かれてしまった感は否めない。ちなみに、Waviiの元従業員は今後、Googleの検索チームに移籍し、Knowledge Graphの検索技術の向上などに貢献していくという。

 また先般、米Yahoo!が3000万ドルで買収したニュース記事要約テクノロジーのSummlyもまた、Waviiと同様のWebキュレーションサービスで、あのオノ・ヨーコ氏やアメリカの俳優Ashton Kutcher氏らが出資し、わずか17歳の少年が開発したことで話題になった1OSのリーダーアプリ。日本でも、NHN Japanが運営するCGM型のWebキュレーションサービス「NAVERまとめ」などの利用者が、ここ数年で激増しており、情報の氾濫するこの世の中で、欲しい情報を即座に手に入れるために、今後ますます、このようなWebキュレーションサービスは必要とされるだろう。

 GoogleがWaviiを買収したことにより、今後どのようなコンテンツが登場するのか。また今回はGoogleに出し抜かれた形となったAppleは、「Siri」の技術をどう発展させていくのか。今後の展開に注目したい。(編集担当:藤原伊織)