上武大 初の学生日本一 全日本大学野球選手権

2013年06月17日 09:13

 全日本大学野球選手権大会決勝は、5月16日東京・神宮球場で行われ、上武大(関甲新)が6-5で亜大(東都)を破り、3年連続12度目の出場で、初の大学日本一に輝いた。これは関東新学生リーグ代表の優勝も、初の快挙となる。一方11年ぶりの5度目の優勝を目指した亜大は、昨年に続いて決勝で涙をのみ、準優勝に終わった。

 なお最高殊勲選手賞は、今大会4勝を挙げた上武大のエース左腕、横田哲が、最優秀投手賞との2冠を獲得した。首位打者には12打数6安打の打率・500で、4強入りした明大(六大学)の糸原健斗が獲得した。

 試合は、上武大が、1-3とリードされた6回に、四死球と適時打で一点を返し、1死満塁としたうえで、4年の代打清水を送った。

 清水は公式戦で、1安打しか記録してなく、1塁や三塁の守備固めの選手。普段からコツコツ練習するタイプで、今大会も雨に濡れながら黙々とバットを振っていた。そんな姿が谷口監督の目に留まり、大事な場面での代打起用となったようだ。

 亜大救援の1年生投手、諏訪の甘く入ってきた直球を左翼席へ満塁本塁打。打った清水も、谷口監督も、選手もみな驚いた。まさかの逆転劇である。3点リードして迎えた9回1点差まで追い上げられたが、これまで3勝しているエースの横田が、最後まで投げ切って優勝した。

 上武大の勝因は、大事な試合を投げ切るエース横田の存在と、出場の機会がなくても準備を怠りない控え選手の活躍、そしてスタンドの声援と一体になった勝利であろう。

 敗れた亜大は、生田監督が語っているように、6回の継投ミスと絶対的なエースの不在であったろう。

 上武大を初の日本一に導いたのが谷口英規監督(48)。浦和学園、東洋大、東芝と強豪チームでプレーし、監督就任14年目の悲願達成であった。「優勝した瞬間、就任当時のことを思い出した」と言う。そのころの教え子が、球場の外で胴上げしてくれたときは、男泣きに泣いたという。一から作った、たたき上げのチームが頂点に立った。(編集担当:犬藤直也)