世耕弘成内閣官房副長官は24日夕の記者会見で、一票の格差是正のための衆議院小選挙区「0増5減」の区割り法案が衆議院で3分の2以上の賛成多数で再可決、成立したことについて「政府与党としては、少なくとも違憲状態が解消されるに至ったということは歓迎したいと思っている」と語った。
世耕官房副長官は「ただ、参議院議員として語るとすれば、参議院については区割り法案が全く審議できず、採決も行われずに、衆議院側で(憲法59条の規定適用により、参議院においてのみなし否決という手続きを経ての)再可決となったことは、大変残念だと思う」と述べた。
世耕官房副長官は区割り法案について「政府与党としては、すでに法律として成立している0増5減法を実効あらしめるために、1日も早く0増5減の区割り法案を成立させることが違憲状態解消のために必要という考えであった」として、違憲状態の解消のための緊急避難措置的色彩の濃いものであったことを示した。
5減では福井、山梨、徳島、高知、佐賀の小選挙区で定数が各1議席減ることになり、17都県42選挙区の区割りが見直される。
一方、今国会で実現できなかった定数削減の問題について、世耕官房副長官は「党だけで決められるものではない。小政党を含めて、できるだけ幅広く政党が合意を形成していくことが選挙制度改革のあるべき姿だと思っている」とした。
また、世耕官房副長官は「議員定数削減で、自公は案を提示したが、野党側では民主のように法案を国会に提出されている党もあれば、定数削減と抜本改革を一体でやるべきという党や定数削減そのものに反対する党もあるなど、野党側でまとまっていなかった」とした。また「われわれは各党協議会でもわれわれの案も出し、協議を進めていく考えであったが、協議会で整わなかったということだ」として、与党としては定数削減にむけた努力を重ねてきた旨を強調した。
また。「定数削減と抜本改革について、きっちり法律を成立させていくことが大事だと思っており、これからも誠実に対応していきたい」と述べた。(編集担当:森高龍二)