アフリカでの感染症などの疾病対策に医学研究や医療活動で顕著な功績を挙げ、アフリカ住民の保健、福祉の向上に貢献した人に贈られる第1回野口英世アフリカ賞受賞者が決まった。今年5月28日に横浜市内で開催される第4回アフリカ開発会議にあわせ、福田総理が主催してアフリカ各国元首ら臨席のもと、授賞式が催される。
受賞したのは英国のブライアン・グリーンウッド博士とケニアのミリアム・ウェレ博士。賞状、賞牌とともに、賞金として、それぞれ1億円が贈られる。賞金は国費と寄付により捻出されている。
この賞は小泉純一郎氏が総理だった平成18年5月にアフリカを訪問したことや野口英世博士が逝去して80年を迎えたことを記念して創設されたもので、感染症の蔓延は人類すべてに共通する課題として、特に、この問題への解決が迫られているアフリカでの研究、医療活動に功績のある人を称え、さらなる研究、活動の推進を図ることを目的にしている。
ブライアン・グリーンウッド博士は「マラリアがアフリカ大陸に広範に脅威をもたらし、1年間に100万人の命が奪われる状況下で、マラリア制御のための効果的な戦略を構築・設計に貢献した」勇気と功績が評価された。「博士の業績により、ごく最近まで絶望的と見られていたマラリア対策に希望が見え始めている」(内閣府)という。
一方、ミリアム・ウェレ博士は「エイズ・結核・マラリアに関するアフリカ首脳会議の保健問題アドバイザーとして、ケニア、東アフリカ、アフリカ大陸全体に甚大な影響を与えている。特に、性行為、HIV/AIDSに関する開かれた議論を促すため、若年層、売春婦、同性愛者、麻薬の静脈注射乱用者などと直接対話を行い、ケニア社会に大きな刺激を与え、HIV/AIDSを抱えて生きる人々の恥辱や差別の減少に貢献。貧困層や社会の周縁に追いやられた人々を献身的に擁護してきた」(内閣府)活動が高く評価された。