こどもの読書活動の推進に関する基本計画(第2次計画)が閣議決定され、3月12日までに国会に報告された。第1次計画が平成14年8月に閣議決定され、5年を経過したことを受けて、その成果と課題を踏まえ、第2次計画を立案している。
これまでの成果では中学生で1ケ月に1冊も本を読まないという「不読者率」が平成13年度の54%から19年度は37%にまで減少したことや、公立図書館での児童への貸し出し冊数が13年度の1億2500万冊から、16年度で1億3500万冊にまで増加したこと、全校一斉読書活動を行う学校が14年度の74・3%から18年度では84・2%にまで増加したなどをあげている。
課題では、不読者割合が中学、高校になるに従って高まる傾向が依然として続いていること(平成15年度では小学生28・3%、中学生47・9%、高校生61・3%)、地域における取り組み格差が解消されていないこと(平成17年では公立図書館の設置率は市や区では98%であるのに対し、町では54%、村では22%にとどまっている)、こどもたちの読解力の低下(OECD生徒の学習到達度調査PISA2006では57カ国中15位になっている)があがっている。
このため、第2次計画では「主要施策の数値の目標化」を図るほか、家庭、地域、学校の取り組みを再構成し、国、地方、関係機関との連携体制を強化する。
家庭での取り組みでは読み聞かせなど読書活動につながるように仕向けていく。地域では公立図書館のホームページ開設率を56%から9割以上に。また、来館者用コンピュータ設置率を100%に。オンライン閲覧目録導入率を100%にする。また、図書館ボランティアを7万人から『10万人以上』をめざす。学校においては司書教諭の未発令校への発令促進や学校における超高速インターネット接続率を35%から『概ね100%』をめざすとしている。