都市部で14増、地方で50減【最高裁判所】
最高裁判所は現在201ある検察審査会の設置数について、審査申し立て状況に照らし、都市部で14増やすとともに、地方で50削減する案を1月22日までにまとめた。平成21年5月までに内閣の政令により実施される予定。実施されれば平成2年(6削減)以来のこととなる。
見直し案では増強されるのは東京(4)横浜(2)埼玉(1)千葉(1)大阪(2)京都(1)神戸(1)広島(1)福岡(1)で合計14。
削減されるのは北海道(6)など全国の地方で、合計50になる。
検察審査会は犯罪の嫌疑を受けている被疑者を検察官が不起訴処分にした場合、これを不服として、「検察官の判断の良し悪し」を審査するよう申し出があった場合に審査する機関。
今回の見直しは、新しい検察審査会法が平成21年5月までに施行されるのに対応するもので、現行の検察審査会法では検察審査会の設置数について「200以下にしてはいけない」との規定があるほか、審査会が審査の結果「起訴相当と議決」しても、検察官に対して、参考資料になるものの、効力を生ずるものではないなど、課題があった。
改定検察審査会法では設置数規定を廃止しているほか、検察審査会が「起訴相当」と議決した結果を受け、検察官が再び検討の結果、不起訴処分の判断をし、これをうけて再び審査申し立てを受けた検察審査会が、あらためて「起訴相当と議決」した場合には弁護士に検察官に相当する権限を与える、という内容で、これまで以上に検察審査会の権限を強化し、被害者側の心情を考慮したともいえる内容になっている。
なお、検察審査会は地方裁判所と主な地方裁判所の支部の中に設置されており、検察審査員は一般国民の中から、それぞれの地域ごとにクジで選ばれる。任期は6ケ月だ。