プリウス累計販売300万台が教えてくれること

2013年07月16日 20:19

 トヨタは、全世界でのプリウスの累計販売台数が、6月末までに300万台を突破したと発表した。

 300万台の内訳だが、北米及び日本で約89%、欧州で約9%、その他の地域で2%である。各国におけるハイブリッド車に対する優遇処置や、価格などはそれぞれなので一概に比較できないのは承知している。特に欧州ではガソリンの比べ安価な軽油を使い、燃費も良いディーゼルが非常に普及(国によってはガソリン車以上のシェア)しているということもあるだろう。とはいえ、北米と日本にあまりに偏ったシェアではないだろうか。

 1997年12月に世界初となる量産ハイブリッド乗用車として初代のプリウスを発売し、2003年には2代目を、09年には3代目となるプリウスを発売。15年半での300万台達成となる。因に、100万台達成は、08年4月、200万台達成は、10年9月なので、いかに売り上げが急激に伸びているのかが、わかるだろう。また初代から3代目に至るまでに、ハイブリッドシステムのコストを3分の1まで低減する一方で、燃費はリッターあたり28キロから38キロ(10.15モード走行)へと向上させている。また、3代目プリウスでは1261件におよぶ新規特許を出願している。
 
 ハイブリッド関連の投資について、トヨタは、初代プリウスの開発当時から、ハイブリッド技術を各種のエコカー開発に必要な要素技術を含むコアテクノロジーと位置付けて、モーター、インバーター、バッテリーなどの主要技術について、社内での開発・生産にこだわり、国内で投資を行ってきた。今後もハイブリッド技術を含む先端技術開発については、日本での研究開発・設備への投資を継続し、世界に展開することで持続的成長を目指すとしている。

 14年3月期の連結研究開発費の見通しは8900億円(前年同期比+10%)、単独では7900億円(同+11%)に達し、環境技術開発に加え、新プラットフォームやユニット開発を強化する。また連結設備投資額の見通しは9100億円(前年同期比+7%)、日本における設備投資額は4400億円(同+9%)となっている。

 日本と北米で266万台のプリウスが走っている。欧州ではその10分の1の26万台だ。しかし、プリウスが欧州で苦戦する理由はディーゼル車の存在だけではないだろう。自動車文化というバックボーンが北米や日本とは決定的に違うのかもしれない。(編集担当:久保田雄城)