原子力規制委員会の田中俊一委員長は原発の再稼動について、安全性の判断基準づくりは急いでも、電力受給など電力事情に左右されずに国民の期待に応える安全基準づくりに努める姿勢を強調した。
田中委員長は定例の記者会見を週1回行うことにしている。その中で、直近会見で記者団から「冬の電力需要に向け、北海道では電力不足の懸念が出ているが例外とせずに、新しい安全基準ができるまで再稼動の判断は難しいということか」と聞かれ、「判断基準がないまま再稼動させることはできない」と明確に答えた。
田中委員長は「基準の策定を急ぎたいと思うが、電力事情が足りないとか、いろいろなことまで入れると、皆さんが期待しているような規制委員会ではなくなっていまう可能性がある」と語り、社会的事情や政治的事情に影響されることなく、科学的に、客観的に安全性確保のための安全基準づくりにつとめる考えを強調した。その姿勢は国民も支持しそう。
また、田中委員長は地域防災計画が自治体に定まるまで再稼動はないという考えも明確にした。
また、関西電力大飯原発の稼動している2基について、田中委員長は「稼動しているものを何の根拠もなく停めなさいというのは難しい」としたうえで「活断層があるかどうか早急にきちっと調べて、もしクロとかグレーが濃いというようなときには、停めて頂くことをお願いすることになる」と答えた。(編集担当:森高龍二)